Inside Tennoji Park, 1-1 Chausuyama-cho, Tennoji Ward, Osaka, 543-0063, Japan

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庭園の主要スポット

慶沢園の庭造りは、中央部に大きな池を配置し、築山を築き、その周辺には飛石や橋をめぐらせ、躍動する水の動きを足下に感じさせてくれる沢渡(さわたり)の手法が用いられています。近代的で明るく開放的であり、躍動する水の流れをはじめ自然を多く取り入れた庭をご堪能いただけます。また、慶沢園の中には落ち着いた雰囲気の茶室「長生庵」もあり、お茶会や句会、記念撮影などにご利用いただけます。

  • 州浜(すはま)

    慶沢園の池の西側正面と東側には、まるで穏やかな海辺のような風景が広がる州浜があります。この州浜は、池の水辺にゆるやかな傾斜をつけ、ごろた石や砂利を敷き詰めてつくられたもの。水と陸とが自然に溶け合う美しい景色は、飛鳥時代から奈良時代にかけて日本庭園に取り入れられ始めた、伝統的なデザインの一つです。慶沢園を訪れた際は、ぜひこの州浜に注目して、水辺のゆったりとした時の流れを感じてみてください。

  • 切石橋(きりいしばし)

    慶沢園には、岡山後楽園などでも見られる格式高い切石橋が架かっています。自然の石を切り出して造られたこの橋は、「く」の字に折れ曲がっているのが特徴です。橋の角で少し立ち止まってみてください。ほんの少し視点を変えるだけで、庭園のまた違った表情が見えてくるよう設計されています。ぜひ、橋の上からの景色をゆっくりとお楽しみください。

  • 四阿(あずまや)「喚魚亭(かんぎょてい)」

    池の南側に水面へ張り出すように建てられているのが、休憩所の四阿「喚魚亭」です。三方が開かれた開放的な造りになっており、四季折々の自然や、山や水の美しい景色を心ゆくまで楽しめます。喚魚亭からは、北側に広がる庭園全体を見渡すことができます。目の前には、中島や州浜、存在感のある龍頭石、そして風情ある雪見灯籠など、慶沢園の主要な見どころが絵画のように広がります。ここでゆっくりと腰を下ろし、移り変わる庭園の表情を堪能してみてはいかがでしょうか。

  • 龍頭石(りゅうずいし)

    慶沢園には、庭園に力強さと神秘性を与える龍頭石があります。古くから水の神、雨の神として信仰されてきた龍は、日本庭園においても水の恵みや豊穣を願う大切な意味が込められています。ここでは、巨大な石で表現された迫力ある龍の「頭」がご覧いただけます。そして、その胴体はツツジの低木によって巧みに表現されており、まるで龍が水辺を巡っているかのような景観を作り出しています。慶沢園を訪れた際は、ぜひこの龍の姿を探してみてくださいね。

  • 舟形石(ふながたいし)と船着石(ふなつきいし)

    慶沢園の大池のほとりには、これから船が池へと漕ぎ出していくかのような情景を表現した舟形石と船着石が据えられています。この二対の石は、来園者が池を巡る船旅を想像できるよう設計されており、庭園に豊かな物語性を添えています。かつてこの池で舟遊びが楽しまれた様子を思い描きながら、水辺の風景を眺めてみてください。

  • 琴柱灯篭(ことじとうろう)

    慶沢園には、琴の弦を支える「琴柱」に似た形が特徴の琴柱灯籠があります。この優美な姿は、金沢の兼六園にある徽軫灯籠(ことじとうろう)が有名ですが、慶沢園の琴柱灯籠も池のほとりに静かに佇み、周囲の景色と見事に調和しています。特に、水面に映る灯籠の姿は、庭園に一層の風雅と静寂な趣を添えています。水辺の景色とともに、その美しい姿をぜひお楽しみください。

  • 慶沢園の奥には、一枚岩の上から勢いよく水が流れ落ちる大滝があり、自然の力強さと生命力を感じさせる景観が広がります。滝壺の近くには、まるで生きものたちがひっそりと佇んでいるかのように、カエルや亀の姿に見立てた石、亀甲石(きっこうせき)ながが巧みに配されています。水の音に耳を傾けながら、この静かで趣のある空間をぜひお楽しみください。

  • 沢渡(さわわたり)

    沢渡は、池や流れの上に自然石などを飛び石のように配し、水辺を渡って楽しむ日本庭園の技法です。慶沢園のあちこちに見られ、庭園の景観に変化と遊び心を添えています。園内には、様々な沢渡が楽しめます。滝の流れに沿って自然石を伝って渡る場所。四阿の横から小島へ、臼(うす)のような形をした石を交えて渡る場所。東側の州浜から中島へと続く場所。など、その配置や使われている石の素材もさまざまです。沢渡を歩くことは、庭園の景色を多様な視点から楽しむ体験の一つ。一歩一歩進むたびに、新たな発見があるでしょう。ぜひ、足元に注意しながら、水辺の散策をお楽しみください。

  • 涌泉(ゆうせん)

    大滝の左手には、静かに水が湧き出る景観を表現した涌泉の石組が設けられています。この湧水の風景は、慶沢園の元々の所有者である住友家の屋号「泉屋(いずみや)」にちなんで造られたと考えられています。「泉」という字には、清らかな水が昼夜を問わず湧き続けるという意味が込められており、これは商家としての繁栄や尽きることのない恵みを象徴しています。庭園に秘められたこのような思いや文化的背景に触れることができる、慶沢園ならではの見どころの一つです。

  • 休憩所(旧留春亭)

    慶沢園にある休憩所(旧留春亭)は、1903年(明治36年)に第5回内国勧業博覧会の開催に合わせて建てられました。当時皇太子であった大正天皇が妃殿下とご訪問されたという、由緒ある建物です。西園寺公望によって「留春亭(りゅうしゅんてい)」と名付けられたと伝えられています。なお、現在の休憩所は当時の「旧留春亭」が失われた後に、新たに建設されたものです。この休憩所の南側には、壮大な池泉庭園が広がります。大滝の力強い流れ、風情ある沢渡、そして舟形石や琴柱灯籠といった見どころが次々と現れ、変化に富んだ景色を楽しめます。滝の音に耳を傾けながら、静かに庭を眺めるひとときは、きっと心安らぐ時間となるでしょう。

  • 長生庵

    慶沢園にある長生庵は、住友家から寄贈された茶室の解体材を使い、新たに建てられた茶室です。この長生庵では、歴史ある建材が再利用されており、趣のある空間で茶の湯の精神を感じることができます。静寂の中で、庭園の美しさを眺めながら、穏やかなひとときをお過ごしください。

  • 北門

    慶沢園の北門は、1958年に都島にあった旧藤田邸の正門が移築されたものと言われています。現在は門を通り抜けることはできませんが、門前に立つことで、その堂々とした風格と、この地がたどってきた物語を感じ取ることができます。ぜひ立ち止まって、悠久の時に思いを馳せてみてください。